伊香保温泉 (3) 黄金の湯を飲め

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伊香保温泉の石段街を登り、伊香保神社を抜けた先にもかつては賑わっていたであろう温泉街が続いている。だが大部分が廃墟のまま放置されていたりと痛々しい。

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道中にあるお土産屋は日も暮れきらないうちから店じまいしていたり、あるいは休業状態。辛うじて開いている店も、すっかり年老いた店主が暇そうに座っているかと思いきや奥の部屋でテレビを見ながら寝転んでいたり、そんな状態だ。

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もはや廃墟寸前のお土産屋通りを過ぎると伊香保神社のご利益にちなんだ「子宝饅頭」の店が現れる。

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土産物屋が終わると真っ赤な「河鹿橋」が姿を現す。秋には紅葉の名所となる。下を流れる川は温泉の成分で黄土色に変色している。

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河鹿橋から更に奥へ進むとなにやら大事そうに石の柱が置かれている。これは「湯元呑湯道標」という、ここに温泉の湯が飲める場所があるぜという道しるべである。

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明治時代に伊香保にやってきたドイツ人医師のベルツ博士が飲泉療法を勧めたことがきっかけで日本でも温泉の湯を飲む習慣がついたとかなんとか。日本には飲尿療法や飲尿プレイを実践している奇特な人もいるのだが当時は温泉の湯を飲んで身体を健康にしようというのは画期的なアイデアだったのだ。

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ちょうどタイミングよく飲泉所のやぐらが姿を現した。つまり温泉の湯を飲めということか。そうとしか考えられない。

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しかし先ほどの黄土色の川を見ても、この飲泉所の蛇口から湧き出る温泉の湯を見てもすこぶる鉄分豊富過ぎて、飲むのは結構勇気が居る。口に含んだら案の定鉄の味がした。しかもかなり濃密な鉄の味。コップ1杯に何枚十円玉を溶かせばこんな味が出るのかというような感覚だ。

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さらに飲泉所の先には源泉に最も近い日帰り露天風呂(入浴料450円)があり、隣接して源泉が湧き出ている場所を拝見することができる。分厚いドーム型のガラスに覆われて直接源泉に触れる事はできない。

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源泉の真ん前には日本で初めてラドンが発見されたことを記念して「ラドン発見の碑」が建立されている。無論、怪獣のことではない。

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源泉までの束の間の散歩道から戻ってくると、すっかり太陽は姿を消し、夜の帳が訪れようとしていた。

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伊香保温泉に温泉旅館は数あれど建物の美しさで言えば「横手館」は目を見張るものがある。宿に明かりが灯りだす頃に、寂れた温泉街としか思っていなかった伊香保は別の姿を見せる。詳しくは次のページで。

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