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九州最強の昭和ブルース系ちょんの間地帯!北九州市若松区中川町「旧土井町」のバラック長屋群

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明治時代から昭和の中頃まで筑豊の石炭積出港として大いに繁栄した現在の北九州市若松区、そこは港湾・土木関係の労働者が癒しを求めて訪れる遊郭が成り立ち夜の方もさぞかし華やかだったらしい。色街であった連歌町遊郭は既に存在せず、代わりに赤線地帯として旧土井町、現在の若松区中川町のとある一帯がその手の需要に応えていたとか。

目立った盛り場にも乏しい現在の若松においては遊郭も赤線地帯も昔のお伽話だろうと、何も知らなければそう思ってしまうかも知れない。だがこの元赤線地帯たる旧土井町には21世紀となった現代日本においてもこっそり「営業」をしている店が存在しているという。中川通りの西側の一軒の酒屋を右に曲がった辺りがそうだと聞いていたが…

確かにその一帯は周囲から取り残されたように戦後のドサクサで建ったようなオンボロバラック平屋建て長屋がずらりと並ぶ奇妙な区画が連なっている。おしなべて貧困の匂いしかしない庶民の寝床である。政党ポスターは例に漏れず共産党ばかり。

そして道端に佇む野良猫達。このような放置気味の荒んだ路地こそが猫の遊び場となるのである。いつもこのような野良猫を見て、この猫達もきっと遊女の生まれ変わりではないかと勝手な脳内ファンタジーに耽るのだ。

まったくもって結構毛だらけ猫灰だらけだニャーと奴らに現を抜かしている場合ではなかった。この一帯のボロ長屋を見物するのが目的だったのだ。我々はフーテンの寅ではなく日本DEEP案内取材班である。

急に貧乏臭い度が増す住宅街の路地だがいくらなんでもこのゴミ屋敷は酷いったらありゃしない。一体この地区の衛生管理はどうなっているのかね。家人の尻の周りはクソだらけか。妙に本日は車寅次郎の気分だが読者の皆様は気にしないで下さいね。

そんな路地の傍らに住民のマナー向上を呼び掛ける啓発看板。「挨拶で始まる 朝の街掃除」ゴミ屋敷の住人にはどうやら日本語が通じないようです。

せせこましい路地で一体同じ場所を何周したか覚えていないがどうもこの一画にあるボロ長屋がそういう場所になっているらしい。普通に人の住んでいる家も傍らにはあるんだけど、左側の平屋なんて土壁剥き出しだしあちこち崩落してますよね。これって廃墟ですよね。

さらにその左側に連なる二階建ての長屋群を見よ。まさしく芸術的レベルにまで昇華された継ぎ接ぎ波トタンの勇姿たるや素晴らし過ぎる。若松まで来てようやく思い知る北九州の奥深さよ。これだけで今晩のご飯が食べれそうな勢いである。いや待て。探索はまだ終わっていない。

怪しい廃屋が中央にそびえる中、その右側から続く路地に足を踏み入れた。舗装もきちんと出来ていないような、21世紀の日本とは思えない空間である。まさかこれが赤線地帯の名残りだなんて…ただの貧民窟にしか見えないのだが。

若松では細々とその手の営業をしている店が3、4軒程未だに残っているという。どの家の玄関がそれにあたるのかはさすがに分からない。しかし中に入った客によると「本当に人様の家にあがらせてもらう感覚」なんだそうだ。店というよりは「家」。この感覚が若松スタイル。

さてどちらの玄関がビンゴなのでしょうか。いちいち聞いて回る訳にもいくまい。もっとも「営業時間」は日が暮れた後の事なのでそんな時間にこの路地にふらふら迷い込んでも真っ暗闇で何が何だか意味不明ではなかろうか。

平屋建て長屋の方の玄関はこのような感じ。さすがにもう人は住んでいなさそうですけどね。しかしそうであれば何故取り壊されもせずいつまでも残っているのだろう。

絶望的な程に古ぼけた長屋の路地はまだかすかに生活の匂いがする。それどころかテレビの音だって聞こえる。いつ「関係者」が飛び出してくるやら分からない…という訳で戦々恐々なんですが…こうなったら集金員か郵便配達の人になった気分で通り過ごそう。

まだ人の気配がありそうな家。なぜか郵便ポストはビニール紐で投函口を塞がれていて玄関には南京錠が掛かっている。家の玄関ドアの鍵が南京錠というのもあまりに凄まじい生活っぷりだが、よーく見ると玄関の上に金玉というか鈴のような形のお守りがぶら下がっているのだ。

そこから一本北側の路地もかなり香ばしい事になっている。一部の家屋が自然崩落を起こして周囲に立入禁止の柵が置かれているのである。所有者不明?のため応急的に行政が対策を施したようだ。

一昔前、その手の店はもっともっと多く存在していたそうだ。そりゃ北九州というブルーカラーな土地柄だからというのもあるが、連歌町遊郭のような色街が出来る程に需要に溢れていた土地なのに今になって何にもありませんという方が不自然な話だ。

見た印象では、徳島の秋田町とか函館の「セキセン」、それに松山の土橋に近い末期的な哀愁を感じざるを得ない北九州市若松区・旧土井町の秘密のオンボロバラック長屋。そのうち人々の記憶から忘れられ、近い将来消えて無くなってしまうかも知れない。

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